インタビュー記事
しっかり学べること。
それが就職先の第一条件。
医療法人豊貴会 ざま駅前歯科
歯科医師松本先生
- 2019年
-
日本歯科大学生命歯学部 卒業
日本歯科大学にて臨床研修
- 2020年
- 医療法人豊貴会 ざま駅前歯科 入職
就職活動の始まり
就職フェア自体は、麻布さん以外も含めて3つのフェアに5,6月開催の時から参加していました。就職活動としては、他にエージェントサービスみたいなものも利用しましたね。
エージェントサービスは、仲介してくれる会社にお給料や教育体制、勤務医の数など細かい希望を伝えて、希望に合致したところを紹介してもらう感じです。
ただ私は、一度にたくさんの医院を比較できたり、実際に働いているDr.や衛生士さんから直接話が聞けるので、フェアの方がいい就職のきっかけになるかなと思っていました。
春から少しづつ始めて、きちんと医院見学に行きだしたのは9月頃からだったと思います。結果的には7つくらいの医院さんに見学に行きました。やはり、自分の中では年内に内定をとりたいと考えていたので、それに合わせて動いていた感じです。
就職先を決めたポイント
就職先を決める際のポイントがいくつか自分のに中にあって、まず第1は教育体制がしっかりしているところです。実は研修先の大学病院では、自分一人できちんとイチから患者さんの治療をしたことがなかったので、そこは就職する上ですごく不安な点でした。ですから就職先は、本当に基礎から、最初の診断から、しっかり教えてくれるところというのが第1条件でした。あとは、人間関係が良さそうなところ、保険診療と自費診療が半々であるところといった点ですね。
ざま駅前歯科に決めたポイントは、やっぱり教育制度がしっかりしているところです。最初にここに見学に来た時、教育マニュアルがすごいしっかりしていて、何月までにはこれをやって、何月までにはこれをやってと、すごくわかりやすかったんですね。その上、院長先生が接遇やその他全てイチから教えると仰っていたので、ここならしっかり基礎が学べるなって思いました。それに、初めて麻布の就職フェアで院長先生と衛生士さんにお会いしたとき、他の医院と違って本当に優しい感じがして、ここなら人間関係も大丈夫かなと思いました。
実際の見学の時も、受付の方や他の衛生士さんがすごく挨拶してくれて、意外とそういうのしてくれない医院もあったんです。ちゃんと歓迎してくれてるムードがあったので、ここだったら働きやすいなと思いましたね。
就職から今までの日々
就職前と後で本当にギャップはありません。フェアや見学の時に、言われたり確認したことが本当にそのままでした。あえて探すと一つだけあって、考えていたよりも患者さんを受け持つ時期が早かったことです(笑)。コロナの影響で患者さんが逆に増えてしまい(衛生環境等がしっかりしている)、初診の患者さんがどんどん増えてきて、新人Dr.にも割り振っていかないと回らなくなってしまい、予定よりもだいぶ早く7月の終わりには患者さんを受け持つことになりました。
もちろん患者さんを任せてほったらかしではなく、10月までは毎週金曜日を1日教育に当ててくださっています。最初は麻酔の打ち方や接遇だったり、あとは探知や虫歯をどこまでとるかとか、そういった基本的なことからやっています。一番びっくりしたのは保険点数の本を2〜3週間くらいにわけて1回全部みんなで読んだんです。そんなこと絶対他の医院ではしないなあって思って。しかも、それを勤務時間外じゃなくて時間内にやってくれるのがすごいと思います。もちろん、院長先生が全部つきっきりで見てくださって。他にも模型の練習をしたり、形成や根治のやり方など色々勉強しています。
就職先に悩むあなたへのメッセージ
とにかく、医院見学にはたくさん行くことだと思います。私は7件行きましたが、その7件とも特徴が違う医院さんでした。説明会ではすごくいい感じのところだったのに、行って見たらノルマがあったり。ある医院さんではアシスタントがつかないで、全部Dr.1人で回していたり。説明会とはかなりギャップがあるところが多かったので、実際足を運んで自分の目で確かめてみないと絶対わからないですね。だから、とにかく見学に行って欲しい。
見学でみるポイントとしては、衛生士さんや他のスタッフさんが挨拶してくれるかどうか、これってすごく医院の雰囲気がわかると思います。あとは、年齢の近いDr.がいれば積極的にその先生から話を聞きました。やっぱり院長先生レベルだと、いいことしか言わないかなと思って。ですから、若いDr.に実際はどうですかといった話を聞いていました。そうすることで、実際の勤務実態や医院の方針みたいなものが見えてくると思います。
理事長・院長・先輩歯科医師
インタビュー
医療法人豊貴会 ざま駅前歯科
院長西村 一郎先生
- 慶應義塾大学経済学部 卒業
- 1998年
- 日本歯科大学 歯学部 卒業(首席)
医療法人 慈皓会 波多野歯科医院 入局
- 1999年
- 東北大学 歯学部大学院 入学
- 2001年
- 波多野歯科医院 カタクラパーク診療所 院長
- 2003年
- 東北大学 歯学部 大学院 卒業(歯学博士)
- 2004年
- ざま駅前歯科医院 院長
- 2010年
- 日本歯科大学 非常勤講師
- 2011年
- ニューヨーク大学 短期留学
大切なことは若い先生とのマッチング
松本先生は、2019年秋の就職フェアでお会いしまして、その時に明るい、前向きな、素直な先生だなっていう印象はすごく持ちました。
うちの場合は、見学の際に医院の中をよく見てもらうこと。医院の考え方をよく理解してもらえるようきちんと説明します。大切なのはそこからのマッチングですね。松本先生は、最初に見学に来られた時のスタッフと話している姿を見て、すごいリーダー性があって、しかも優しい人間力のある先生だなという印象でした。しかも話をしてみると、すごく真面目で勉強熱心な先生なんですね。そこで、松本先生には是非うちに来て欲しいと思いました。
実際に先生を採用して7ヶ月弱くらい経ちますが、僕が思っていた通り勉強熱心ですし、わずか7ヶ月弱なのに患者さんにきちんとした対応ができている。これはもう、彼女の持っている人間力の強さだと思いますね。もちろん、スタッフみんなから愛されてますよ。
根幹は教育制度
将来的に、私はうちの医院を教育型の歯科医院にしようと考えています。教育型の歯科医院とは何かっていうと、全てのことを教えるところという意味です。私が、日本で海外で習ってきたことをきちんと全部教える。それは、Dr.にも衛生士にも助手にもです。その手始めとして、毎週金曜日は教育の日として、朝から晩まで全部教育しかやりません。
ですから医院として若い先生に対して、しっかり専門的な教育をしていくという考え方で新人教育に当たっています。プログラムとしては6年間。特に最初の1年目は課題が多いですね。まずは保険診療の本、分厚いですがこれを読みます。多くの医院さんでは、最初はマニュアルを読んだり先輩の診療を見学したりすると思いますが、うちの場合は、基本的に保険点数の解釈をしっかり頭に入れてもらいます。これから一生保険医としてやっていく訳ですから、まずそこからスタートします。次に、ペンシルベニア大学のマイクロエンドの勉強をしていただきます。マイクロエンドの本を、私と新人の先生たちとでポイントを抑えながら臨床の説明をしながら、2〜3回に分けて1冊の本を読んでいきます。そうするとだいたい、マイクロエンドが解ってきます。ところが、何回かやっているうちにいろんな疑問が出てくるんですね。そこで初めて、ペンシルベニア大学に留学した先生の講習会や勉強会に行ってもらう。そうすると、わかってきたこと疑問に思ったことを、そこでもう一度復習できるんです。
医院の教育プランは6年間です。1年目にエンド、2年目に歯周病、3年目にデンチャー、4年目に咬合、5年目に矯正、6年目にインプラント。6年一貫教育って感じでやっています。ですから若い先生も6年経った時には、多分スペシャルな先生になっているはずです。どの分野も1年コースでしかも一流の先生から教わりますから。
教育プランはもちろん重要ですが、まず勉強のやり方を気づかせてあげることが大切だと思っています。最初についた先輩から聞いた治療が正しいと思わないで、やっぱり世界的にエビデンスのある治療が正しいということを知ってもらうことです。あとは、人間力ですよね。この部分は、ビデオを使ったりして患者さんの導入からの練習もすごくやります。患者さんが入ってきた後、声がけしたりタオルをかけたり。それも勉強と同じくらい一生懸命やってもらいます。結局最後は人間性ですからね。うちでは、人間性の育成と技術の育成を両輪で取り組んでもらっています。
就職先に悩むあなたへのメッセージ
多くの医院を見学するのが一番いいですね。そういう意味で就職フェアを使うことは大変有効な方法だと思います。
いろいろな先生がおっしゃっていると思いますが、研修医終了後最初の医院がその人のベースを作ってしまうんですよね。その最初の選択を誤ると、その後医院を転々としたり、下手すると精神的に病んじゃう人も出てきます。ですから、最初に就職する医院にどれだけ自分とマッチングがいい医院を選ぶか、ということが肝だと思います。それはそれほど難しいことではなく、しっかり自分自身の将来像を考えてきちんと自分の目で見て、自分の価値観と医院の理念が合致するところを選ぶことです。
私が若い先生に対して、医院を選ぶポイントとしてオススメしたいのは次の3つです。まず、教育制度がしっかりしているところ。次に、院長先生とスタッフ、スタッフと外注先、スタッフ同士、そういったところの人間関係が上手くいっているかどうか。これはすごく大事ですね。そして最後は、福利厚生がきちんとしているところ。やっぱりこれからの時代は、ワークライフバランスが大切です。昔に比べれば少なくなってきましたが、まだまだブラックなとこはありますからね。自分の生活スタイルに合った医院さんを選ぶことが、無理なく成長していける道だと思います。
教育、人間関係、そして働く環境。この3つが医院を選ぶ際の大きいポイントだと思います。
2020年10月 取材
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